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2017年10月26日、500.com社はNPO法人依存学推進協議会(CABS)と共同で、日本でのギャンブル依存症対策に向けた研究を行うと発表しました。

都内で開催された記者会見では、日本でのIR(カジノを含む統合型リゾート)展開を目指す500.comの潘正明(パン・セイメイ)CEOがビッグデータを活用しての依存症対策を解説。また、依存学推進協議会の西村周三氏はなぜ500.comと組むことになったのかを理由を説明しました。

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ノウハウやビッグデータを活用して依存症対策


500.comは中国で唯一上場しているゲーミング企業。ゲーミングサービスとカジノサービスを提供しており、総ユーザー6,000万人を誇る巨大企業です。

香港でゲーミングハードウェアや設備事業者を買収し、ゲーミング業者にサービスを提供するだけでなく、欧州ではオンラインゲーミングとカジノのリモートゲーミングライセンスを提供しています。

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オンラインのスポーツくじ、ロト、オンラインカジノなど、同社の持つノウハウは世界トップクラス。中国大陸でのユーザーは年間650万人おり、20代・30代が全ユーザーの90%を占めています。

しかし、同時にギャンブル依存症対策が急務となりました。同社は最新鋭のシステムでユーザーの行動、賭け金や賭ける頻度などを細かくモニタリングして分析。ビッグデータを活用し、依存症を未然に防ぐことが可能と言います。

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例えば、同社のオンラインカジノではプレイヤーがお金を賭ける際に個人識別情報を必要としており、プレイヤーは遊ぶ前に自己抑制と自己禁止枠を設定することが義務付けらています。つまり、自分が設定した金額以上の賭け金は賭けられない仕組み。モニタリングによって、自動的にプレイが止まるようになっています。

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また、結果発表の頻度が高いくじ(購入してからすぐに当落がわかるくじ)の方が依存症になる確率が高いこともビッグデータによって判明しました。ロトやスポーツくじのような結果発表が遅いくじよりも、5〜15分で結果がわかる数字選択式のくじの方が依存症の発症率が高いんだそうです。

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厚生労働省のデータによると、日本で依存症の疑いがある成人は536万人。500.com社はCABSと組み、日本政府が進める依存症対策の仕組み作りに協力していくとしています。500.com社は依存症問題を解決することで、日本のIR展開を前進させたい考えです。



日本にないため研究できなかったカジノ依存症


では、NPO法人依存学推進協議会(CABS)はギャンブル依存症の研究を行うにあたり、パートナーに500.com社を選んだ理由は何なのでしょうか。理事長の西村周三氏が手短に語ってくれました。

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CABSはさまざまな依存症に関する研究を行っています。パチンコや競馬といったギャンブル依存症の研究もそのひとつ。しかしながら、カジノについては日本にカジノそのものがないため、カジノに関する依存症を研究がとても困難だと言います。

カジノを日本に作ったらどんな依存症リスクがあるのか、サンプルが日本にないため分析できないのです。

そこでCABSは世界的なオンラインカジノやゲーミングサービスを提供している500.comと手を組み、ビッグデータを活用した依存症の予防や依存症発症後の対応などノウハウを提供してもらうことで研究を進め、依存症の解決を目指します。

また、ギャンブル依存症の研究を行っている日本人は少ない状況にあるそうです。こういった研究はグローバルでやっていく必要があり、日本人の研究者がどんどん増えてくれることを願っていると語りました。

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日本でのIR展開に向けて一歩前進か


僕が500.com社を取材したのは、8月に沖縄で開催されたシンポジウム「カジノを含む統合型リゾート(IR)と沖縄観光の未来」に続いて二度目。

やはり、日本においてはカジノの解禁によるギャンブル依存症を心配する声が大きく、同社はまずIRで展開するカジノはギャンブル依存症のリスクがない(もしくは低い)ことをアピールしたい考えです。これは8月のシンポジウムでも強く感じたのですが、IRのカジノはパチンコや競馬と異なり、気軽に入れるような場所ではないので、日本人が依存症になる確率は非常に低い、と僕は理解しています。