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「今年はこんなにでっかいのがなっとるんよ!」と、今年で67歳を迎える小掠悟さんはまるでカブトムシを捕まえた少年のように目をキラキラさせながら僕に直径約10cmの柚子を見せてくれました。

小掠さんは三重県大台町の自宅裏にある畑で「小掠農園」を営んでいて、三重県の特産品のひとつに数えられる柚子を栽培する大台町では有名な農家さんです。

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大台町商工会の企画でこれまで2回ほど大台町を取材してきた僕ですが、柚子農家さんにお話を伺うのは3回めの訪問にして初めて。なので、柚子はどう使ったらいいんですか?と、すごく素朴な質問をしてみました。

すると、皮を使うとすごく香りを楽しめると教えていただきました。そう、皮のほうが確かに香りがいいんです。小掠農園では栽培している柚子はなんと無農薬!見た目は良くないかもしれないけど、無農薬だと安心していただけますよね〜!焼酎を飲むときに輪切りで入れたり、お風呂を柚子湯にしてたりもいいんだとか。小掠さんのお宅では奥様が柚子の皮でザボン漬けのようなお菓子を使るんだそうですよ。また、切り干し大根に入れて食べることもあれば、柚子胡椒にしたり。

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(柚子のちょうどいいサイズはガムテープの芯と同じ直径7.5cm)


そうそう、「ゆべし」って知ってます?柚子の皮に味噌を詰めて切ったもので、なかなか関東では食べる機会がないと思うのですが、この取材の前日に泊まらせていただいた「山里民泊みくり」でまさにゆべしを食べたばかり。ゆべし自体が初めての経験だったのでユニークな味のする料理だなぁ〜と思っていました。なるほど、柚子を使っていたのですね!

そんなさまざまな利用価値のある柚子の栽培を約20年前に始めた小掠さんは「柚子の栽培はわりと簡単だ」と言います。苗を植えてから4〜5年で形になり、7年もすれば実がなります。大きな機械を使わないし、柚子が酸っぱいせいか猿や鹿による獣害もなく、育てやすい果物なんだとか。

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育てやすいと言いつつも、やはり木の枝を切ったり、枝が上に伸びて行かないように下方向に引っ張って固定しておくなど、やるべきことはしっかりやられています。小掠さんは柚子農家を育成するため、柚子栽培のコツを知りたい人にレクチャーする先生としての顔もお持ちです。

柚子の収穫は毎年10月下旬から11月にかけて。僕が取材で訪れた11月22日はまさに収穫シーズンだったのです!お忙しい中、すみません(^_^;) ちなみに、1本の木からはこのケース2箱分もの柚子が収穫できます。

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お仕事の時間としては、毎朝7時30分からラジオ体操をやって、8時から16時くらいまで収穫作業。だいたいは奥様とふたりで収穫作業をするそうで、とても幸せそうな様子が伺えました!

最後に、大台町の柚子を全国に広めるために何かお考えはありますか?と質問したところ、柚子の納入先である宮川物産さんには柚子を使った商品を複数開発してほしいとの要望を明かしました。

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柚子はなかなかそのまま食べるものではなく、皮や果汁を使った加工品にするのが多いんだそうです。そこで、
「1つの商品だけが調子良くても、もしそれが売れなくなったときに柚子も売れなくなる。だから、いろいろな商品を作って、(バランス良く)柚子を消費できるようにした方が柚子は広げやすいと思う。だから商品開発をはりきってやってほしい」と、おっしゃっていました。

今回の取材で、小掠さんが柚子栽培を楽しみながら行っていることがすごく感じられましたし、「柚子を栽培したい人がいたら積極的に教えたい」と持ち前の笑顔で語る小掠さんの姿勢に惚れました!大台町の柚子を使った商品が世の中にどんどん広まっていってほしいなぁ〜と心から思います。

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【小掠農園】
住所:三重県多気郡大台町清滝167
お問い合わせ:0598-76-0070